研究課題
本研究は、日本と韓国のNGO関係者や研究者が、日本と韓国の各地の干潟に集い、底生生物・水鳥・干潟文化に関する調査活動を展開すると同時に、調査に参加する地元住民に対して調査方法の詳細を現地でレクチャーすることで、次世代の市民科学者の育成に努めることを目的とする。平成22年度は、2010年7月17日~27日に、韓国セマングム地域(全羅北道群山市・金堤市・扶安郡)などで、干潟・浅海域の現地調査および環境教育活動を行い、有明海諌早湾においても、2010年6月17日~22日に、潮受け堤防内側・外側海域における採泥・採水調査を実施した。また、平成22年度の繰越金を使用して、有明海諌早湾において2011年6月7日~12日に潮受け堤防内側・外側海域における採泥・採水調査を実施するための調査道具を購入した。これらの物品は、平成22年度に購入して採泥調査で使用する予定であったが、3月11目の東日本大震災により実行不可能となったため、翌年度に繰り越し、6月の採泥調査において有効に使用された。現在は採泥試料のソーティング作業を実施することで、開門調査実施前の底生動物相と堆積物・水質の状態を明らかにしている。これら有明海採泥調査は、市民研究グループとの共同調査として展開しており、市民による独自の成果も得られつつある。本研究では、韓国セマングム地域において、諌早湾と同じ手法の調査を行うことにより、両海域の干拓堤防建設に伴う生態系の変化を比較し、その普遍性を議論することが可能となった。
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