研究概要 |
本研究では,子どもたちが創意工夫し,学びに熱中する教材として,(1)機能性材料を用いた教材(形状記憶合金エンジンカー,人工筋肉ロボット),(2)2足歩行教材(受動歩行模型,サーボモータを用いた2足歩行ロボット)(3)機械式振子時計教材(おもり動力,ゼンマイ動力)の開発を行い,年間計画・授業案の作成とあわせて中学校「技術とものづくり」における創意工夫教材,ロボット教材として提示した。(1)は機能性材料に対する驚きと作動原理の不思議さ,(2)の受動歩行も動力を持たない模型の歩行への驚き,(3)は時を刻む機構の面白さを備えている。また,(1)のエンジンは出力を高めるための創意工夫,(2)の受動歩行は重心の調節と歩行するための試行錯誤やデザインの創意工夫,サーボモータ駆動の2足歩行ロボットは独自のロボット開発と独自の動作プログラムの作成,(3)は振子の周期の設計や摩擦を減らす工夫が可能である。 7つの公立中学校(静岡市立清水第5中学校・静岡大学附属静岡中学校)、公立小学校(静岡市立清水由比小学校・静岡市立千代田東小学校・静岡市立賤機中小学校・静岡市立大河内小学校・静岡市立玉川小学校)で2足歩行ロボット、形状記憶合金エンジン、受動歩行模型教材の教育実践を行った。どの教材も先進的な取り組みで生徒児童の興味関心が高いことがわかった。また、小学校で実践した形状記憶合金エンジン、受動歩行模型は教材については学校全体、家庭を巻き込んだ教材となった。機能性材料に対する驚きと作動原理の不思議さ、動力を持たない模型の歩行への驚きを備え、家族に自慢する生徒の姿がアンケート結果からうかがえた。 国内だけでなく、モアイ像をイースター島で歩かせアンケートを取るなど海外で実践を行い、国際的に通用するものづくり教材としての開発を行った。
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