研究概要 |
発展途上国にとって地域の実態に即した環境教育は,地球環境を保全しながら,より豊かな生活を行う経済の持続可能な発展にとって重要である。質の高い環境教育を実践するには,地域の素材を生かした教材開発と,活動を生かした生徒中心型の授業を行うことが必要で,この実践のためには授業研究の手法が有効である。本研究では経済発展が著しい途上国である南アフリカ共和国の貧困州をターゲットとし,質の高い環境教育の実践に関するアクションスタディを行うことで,途上国の実態にあった環境教育プログラムの開発と,その現場レベルでの授業改善に関する示唆を得ることを目的とする。平成21年度は,南アフリカ共和国ムプマランガ州の初中等学校において,ベースライン調査としての生徒の環境科学分野に関する学力調査をTIMSSの問題等を用いた質問表により実施した。この結果,ムプマランガ州の環境科学(地学)分野の学力は他国に比して天文・気象および地質の分野を通じて全般的に低いことが判明した。教員へのインタビュー調査により特に天文分野の教材需要が高いことがわかった。また授業観察および授業後の討論を現地教育省担当官とともにワークショップ形式で実施し,授業研究の紹介を行った。
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