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2010 年度 実績報告書

数学の概念理解を促進するeラーニング教材の開発と長期的評価についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 21500882
研究機関大阪府立大学

研究代表者

川添 充  大阪府立大学, 総合教育研究機構, 准教授 (10295735)

研究分担者 岡本 真彦  大阪府立大学, 人間社会学部, 准教授 (40254445)
高橋 哲也  大阪府立大学, 総合教育研究機構, 教授 (20212011)
キーワード数学教育 / eラーニング / 教育系心理学 / 教育工学 / 線形代数
研究概要

認知モデルに基づいた概念理解を促進する教授法の開発およびeラーニング教材の開発のために,学習のつまずき原因を認知心理学的に分析することが重要であり,このための主要単元の理解度調査の継続実施と,調査結果の認知心理学的分析を行った.調査については,21年度のデータが,履修者数154のうち全テストを受験したデータが77個と少なかったことから,22年度も年間計16回の主要単元に関する計43問の理解度を測定するためのテストを再度実施しデータ量の不足を補った.その結果,21年度のデータとの合計で,履修者数で235名,うち全16回の調査試験を一度も欠席しなかったデータとして118個のデータが得られた.調査データの分析のために,調査問題43問のそれぞれに対する分析対象者118名の正誤パターン(正解1,不正解0)のデータとしての,43行×118列のデータをクラスター分析のローデータとした.クラスター分析によって43問の問題は,2つのクラスに大きくわかれ,さらにそれぞれが4つずつのサブクラスに分かれることが見出された.これらのクラスを詳細に分析することで,以下のような教育上の示唆が得られた.一般に,多項式空間はベクトル空間としての抽象度が高く,その習得難易度において数ベクトル空間と大きな差があると考えられているが,シュミットの直交化法については,数ベクトル空間と多項式空間とで習得難易度に差はなく,数ベクトル空間での理解習得が多項式空間での理解習得につながっている.部分空間の次元や基底を求める問題や対角化の実行のような抽象概念の理解が必要な計算手続きに関する問題については,概念理解のつまずきが計算手続きの習得を困難にしている.掃き出し法による計算や行列式の計算においては,計算問題の正答率の高さに比べ概念理解が低いことから暗記に頼っている学習者が多いことが示唆される.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 大学初年次線形代数の理解パターンの分析2010

    • 著者名/発表者名
      川添充, 岡本真彦, 高橋哲也
    • 雑誌名

      第43回数学教育論文発表会論文集

      ページ: 807-812

    • 査読あり
  • [雑誌論文] webMathematicaを用いたWeb数学学習システムの構築2010

    • 著者名/発表者名
      川添充, 高橋哲也, 吉冨賢太郎
    • 雑誌名

      日本数学教育学会誌 臨時増刊

      巻: 92 ページ: 491-491

  • [学会発表] 大学初年次線形代数の理解パターンの分析2010

    • 著者名/発表者名
      川添充, 岡本真彦, 高橋哲也
    • 学会等名
      日本数学教育学会 第43回数学教育論文発表会
    • 発表場所
      宮崎大学(宮崎県)
    • 年月日
      2010-11-14
  • [学会発表] 授業時間外学習のための数学eラーニング・システムの構築とその効果2010

    • 著者名/発表者名
      川添充, 高橋哲也, 吉冨賢太郎
    • 学会等名
      日本リメディアル教育学会第6回全国大会
    • 発表場所
      湘南工科大学(神奈川県)
    • 年月日
      2010-08-30
  • [学会発表] webMathematicaを用いたWeb数学学習システムの構築2010

    • 著者名/発表者名
      川添充, 高橋哲也, 吉冨賢太郎
    • 学会等名
      日本数学教育学会算数数学教育全国大会
    • 発表場所
      朱鷺メッセ(新潟県)
    • 年月日
      2010-08-02

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公開日: 2012-07-19  

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