研究課題/領域番号 |
21500882
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
川添 充 大阪府立大学, 高等教育推進機構, 教授 (10295735)
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研究分担者 |
高橋 哲也 大阪府立大学, 高等教育推進機構, 教授 (20212011)
岡本 真彦 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (40254445)
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研究期間 (年度) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | eラーニング / 数学教育 / 高等教育 |
研究概要 |
連立1次方程式の行列表現と掃き出し法による解法の理解・習得に関して,以下の2つのWeb教材を作成した。(1) x+y=0のような1次方程式の表す図形が,どの変数の空間で考えるか(xy平面なのかxyz空間なのか)によって変わることを観察できる教材。(2) 拡大係数行列に対する基本変形が連立1次方程式のどのような変形操作に対応するかを観察できる教材。(1)の教材は,係数が0になって方程式に現れない未知数は,自由な値をとれるパラメータになることを理解させるための教材であり,(2)の教材は,連立1次方程式の変形操作が拡大係数行列の行に関する基本変形に対応することについての理解を深める教材である。教材は自宅学習用にWeb数学学習システムで公開し使用させ,翌半期の授業冒頭で連立1次方程式の解法手続きの理解度をテストにより調査した。教材を使用しなかった学習者の中の答案には,概念的なミスがみられたが,2つとも使用した学習者は,単純な計算ミスは見られたものの,概念的なミスは見られなかった。(1)の教材は,抽象ベクトル空間の重要な部分空間(有限個のベクトルで生成される部分空間,1次写像の核・像)の概念理解に向けた空間イメージの獲得にもつながると期待したが,平成24年度の実践では,抽象ベクトル空間での部分空間の概念理解を促進するには至らなかった。小テストを利用した調査の結果から,抽象ベクトル空間の概念理解のためには,無限集合の理解促進,空間ベクトルやそれらの集まりである部分空間の表象の獲得促進が必要であるとの考察を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していたWeb教材を開発して教材を用いた学習と連動した授業を行い,学習内容の長期的な定着度を検証することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
24年度の実践で浮かび上がってきた問題点から教授法と教材を修正してコースの改良を行い,再度長期的な検証を行う。
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