研究課題/領域番号 |
21500883
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研究機関 | 石巻専修大学 |
研究代表者 |
阿部 知顕 石巻専修大学, 理工学部, 准教授 (40382684)
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研究分担者 |
前田 靖男 東北大学, 生命科学研究科, 名誉教授 (50025417)
菅原 澄夫 石巻専修大学, 理工学部, 教授 (00007197)
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キーワード | 高等科学教育 / 細胞性粘菌 / 培養 / 培養細胞 / 遺伝子組み換え / 教育実験 |
研究概要 |
これまで、ヒトやマウスなどの高等動物の細胞培養系を用いた研究の手法を学ぶには、実際にこれらの細胞を培養しながら経験を積む以外に方法がない。これに対して、本研究では、小型のアメーバ状細胞であり、動物培養細胞と見かけ上類似し、培養操作上の類似点も多い、細胞性粘菌を用いて、動物細胞の培養操作を体験できる、教育実験系を作ることを目的としている。細胞性粘菌は、実験環境の閉鎖レベルがより緩やかなP1レベルの生物として扱える生物であり、また、培養は安価な装置を自作することによっても可能である。したがって、高等学校の理科実験室で、細胞培養、遺伝子組み換え、組み換え体の観察、等の実験を可能にできる教育実験系として期待される。本研究では、細胞性粘菌での実験を、動物培養細胞での実験のシミュレーションとして体験できる点に特徴がある。本年度は、(1)P1レベルの生物の遺伝子組み換え体の安全確実な廃棄を保証できる方法の確立、(2)培養液の組成の検討、(3)安価な培養装置の試作に向けた準備を行ってきた。その結果、(1)オートクレーブがない実験室であっても、家庭用漂白剤(次亜塩素酸)処理により完全に組み換え体を死滅化できること、(2)ペプトンと酵母エキスを含む培地の一部を、葉酸を含むビタミンB群で置き換えが可能であることを確認した。さらに、(3)については、ペルティエ素子を使った冷却法による、小型・安価な培養槽を試作中である。22年度では、教育実験としての実験マニュアルを作成し、これをもとに、本研究の協力校での試験的な実験の実施を計画している。
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