研究概要 |
時と場所を選ばずに学習できるe-Learningは大学や企業研修等で普及し発展してきた.しかし既存のシステムの多くは教材を単純に並べたものや,オンラインテストの実施に留まる等,学習に関してe-Learningならではの利点が見当たらないシステムが多い.個別復習支援システムAIRSでは,学習者毎の学習志向にあったコンテンツの提供を行っている. これはその学習者に適したコンテンツを,その学習者の履歴データや他学習者の履歴データによって学習を効率化させるアルゴリズムを利用している.しかし履歴データが蓄積されていない時点での推薦には対応できないという欠点がある. それを解決する手法として提案された属性相関手法の実験を行い,その反省から新たに協調属性手法を提案し,これの実験,評価を行った. 1.ユーザの背景情報を用いた属性相関手法を確認する。 2.属性相関手法による被験者実験を実施,評価する. 3.提案手法による反省点から別の手法を提案し,2と同様のテストを行った. 上記の実験では属性相関方式の有効性を立証できなかった.これの原因として,属性データと学習履歴間の関係がわからないからではないかという推測をし,学習履歴類似度を参照して属性を使った協調属性方式を提案し実験を行ったが,こちらも十分有効であるという結果にはならなかった.今回の実験は被験者数が20と小規模な実験だったので,今後は大人数での実験も必要になるだろう.同時に,より精度の高い類似度の計算方法の策定も行っていきたい.
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