研究概要 |
全体計画は6項目に分かれているが,23年度に実施した項目は以下のとおりである。 1.予定項目(3)事例調査:21~22年度に選んだ事例に加え,当該産業研究の第一人者であるVogel氏の全面的な協力を得て,米国の当該産業14分野の最新データおよび事例の分析・調査を実施した。本研究課題としてのケース作成対象となる米国でのプロジェクトのケース開発につなげた 2.予定項目(4)(5)ケース開発およびケース活用効果の調査:前年度より開発を進めていた題材の中で最も重点を置いていた事例,映画「フラガール」について,22年度末の東日本大震災の影響を受け,福島県での現地関係者取材を実施できなかった。施設は今年度後半に再開に漕ぎつけたが,まだ不安定な状態であるため,来年度,学内の基盤経費を使って,完成させる予定である。尚,震災からの復興も続編として加える予定である。 以上が23年度中に実施した研究作業であるが,22年度までに行った総数800以上のエンタテインメント・コンテンツ産業のケース謂査に加え,米国専門家の協力による最新データの入手によって,高度職業専門人材の育成に必要な「普遍的」な課題とともに,技術・環境変化に対応した「現代に生きる」課題も併せ持つケースの開発に向けた一定の方法論を構築した。当該産業はネット環境の進展によりその構造が大きく変わっており,一部の題材や分野を除き数年前に刊行されたケースのみで,教育効果をあげることには限界がある。本研究課題を通して,海外の,産業界ニーズを反映させた,まさに先端を行くケース開発の実態を研究調査できたことで,今後のケース開発の基礎が構築できた。大学改革が叫ばれて久しいが,ケース教材を質・量ともに拡充することは,教員・学生相方の意識改革に大きく寄与するものと考える。
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