本研究の目的は、環境教育に衛星リモートセンシングデータとWeb-GISを活用して、教育現場で活用可能なモバイルコンピューティングを活用した野外体験学習支援システムを構築することである。そこで、広域をモニターできる衛星画像から遺構発掘地図などのような詳細な画像までが取り扱うことができるようなシステムを開発し、対象となる地域または場所に関連する環境情報をWeb-GISから引き出せるようなシステムを構築する。環境情報として、温度・湿度観測網を構築し地域の経年熱環境情報を提供できるようにする。また、大気エアロゾル観測を実施し、地域の大気環境情報を提供できるようにする。 平成22年度は以下の通り実施した。 1) 気温・湿度の金沢市内同期観測の教育プログラムの検討、 昨年度に引き続き、金沢市内中心部45か所に気温・湿度データロガーを設置し、夏季の地方都市の熱環境状況を調査し、マップを作成した。また、金沢市内と奥能登地区との熱環境を比較するために観測ネットワーク拡張した。 2) 大気観測の教育プログラムのためのデータ収集 スカイラジオメータを用いて大気エアロゾルの光学的厚さの日々の変化を観測した。また、常時正確な観測を維持するために、気象庁気象研究所にある校正済み準器と同期観測を実施した。 3) モバイル型の野外体験学習支援システムの開発 昨年度に引き続き、Web-GIS構築ツールソフト(インフォサーブ社)を用いてモバイル型のWeb-GISシステムの拡張を検討した。
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