研究概要 |
1.助詞検定システムの構築 システム構築に当たり,学習管理機能(LMS)を備えているeラーニングシステム(既存)を利用することが得策であると判断し,その実現を図った。更に,助詞検定教材(素材)をSCORM2004対応のeラーニング教材化するため,教材シートごとにシークエンシング等のプログラミングを行った。なお,本システムよる助詞検定はインターネットとパソコンを活用することから,「Web助詞検定」と呼んでいる。 2.助詞検定教材の作成 石川県立ろう学校の国語科教員(研究協力者)及び研究代表者や本学の研究協力者が協力して,格助詞,接続助詞,終助詞,副助詞などを10~1級に分類し,素材(練習問題と検定試験問題)を作成した。その後,素材はeラーニング教材化した。 3.助詞検定の実施と学習データの分析 初年度は生徒の助詞に関する実態把握,Web助詞検定システムの動作検証等の目的で,小規模に実施した(石川県立ろう学校及び栃木県立聾学校の中等部・高等部生徒約20名)。検定は所定の練習問題を解いてから検定試験に進み,合格点を得たら進級する。生徒の取り組みは学習履歴としてeラーニングサーバに記録されており,それを分析した結果,進級につれて解答所要時間が増す,7~6級と3級に壁がある(検定試験は3回まで受験チャンスがあるが,1回で合格できない生徒が多い),最も早い生徒では1時間程度で全級が終了する,などが分かった。助詞検定を終了した生徒にアンケートを実施した結果,多くの生徒がWeb助詞検定に興味を持っており,概ねよい評価を得た。 4.研究集会の開催 研究代表者及び研究協力者(ろう学校教諭及び本学教員)による研究集会を本学で開催し,研究方法・成果に関する意見交換を行った。また,引き続いて,電子情報通信学会教育工学研究会に参加・発表し,全国の研究者と議論を深めた。
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