本研究は、学生参加型授業参観プロジェクトがFD(授業改善)に極めて有効であることを明らかにしようするものであり、平成23年度はその最終年度である。第一に、平成23年度に担当した科目に関して、受講生が理解しやすいよう、民法に関するテレビドラマや映画・マンガを取り入れ、法律に馴染みやすいよう努力し、授業後、受講学生から任意でメールを送信してもらった。実際に、民法関係の4科目に関して受講学生の意見や感想をメールで受け取り、翌週の講義のパワーポイントの中で言及してみた。そして、授業改善に必要な書籍を購入したり、授業改善に必要な情報や資料を収集するために国会図書館や他大学の大学教育研究センター、消費者センターなどへ出張したりした。その結果、ゼミ所属の3年生二人がエキスパートコース中間報告会ならびに最終報告会で、理解しやすい講義として民法を取り上げてくれた。第二に、FD・授業改善の成果を受講学生だけでなく、大学教育研究の専門家にチェックしてもらうため、橋本勝・富山大学教授に指導・助言をいただいた。その成果として、橋本教授と清水亮・三重中京大学教授が編集された『学生・職員と創る大学教育』に所収の「あったらいいな!こんな授業-学生参画型イベントへの挑戦と課題」に詳述した。さらに、大学院における授業改善にも取り組み、「民事責任法特殊問題」という科目を受講した大学院生から意見や感想をメールでもらう形式を採用し、その報告は、平成24年3月16日に京都大学で開催された第18回大学教育研究フォーラムにて「大学院におけるFDの暗中模索」という個人研究発表で公表した。
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