研究概要 |
本研究の目的はは、学習者の課題解決型学習を複数の学習支援媒体が支援する学習支援モデル及びその学習場における統合支援環境を構築し、学習支援媒体の一つである遠隔TAを育成するプログラムを開発することであり、研究所年度である本年度は下記の研究項目を遂行した。 (1) 国内外のe-Pedagogy及び支援学に関する調査研究 学習支援モデルや遠隔TA育成プログラムの開発を行うために、e-Pedagogyや支援学に関する調査研究を実施した。 (2) 遠隔TA間の協調的な支援手法の抽出 遠隔TAプログラムにおける活動ログの認知科学的・学習科学的分析、先行研究のレビューを通して、複数の学習支援者による協調的な支援戦略及び支援スキルを抽出した。 (3) 複数の学習支援媒体を対象にした学習支援モデルの作成 (1)及び(2)の研究成果に基づき、支援対象者の数、学習支援者の実態・種類・人数、学習支援の場所・時制等の分類軸を設けて、課題解決型グループ学習を支援する学習支援モデルを作成した。 (4) 遠隔TAプログラムの再設計・実践・評価分析 これまでの実践研究知見及び(1)~(3)の研究成果に基づき遠隔TAプログラムを再設計し、大学の科目「情報科教育法」と高等学校の教科「情報」を対象にして、グループで課題解決型学習を展開している高校生をWeb掲示板上から大学生が支援する遠隔TAプログラムを実施した。その際、学習者の作業シート、学習者の事前・事後アンケート、学習支援プロセスにおける遠隔TAの活動ログ、学習者と遠隔TA間及び遠隔TA間のコミュニケーションログを記録して、遠隔TAプログラムを認知科学的・学習科学的手法によって分析し、問題点と改善点を抽出した。 (5) 初年度研究打合せ及び研究成果の発表 e-Learningの研究専門家(茨城大学本田敏明先生,電気通信大学岡本敏雄先生)に研究協力者としてご協力頂き、研究打合せを行って頂いた。また、(1)~(4)を中心とした初年度研究成果を国内の全国大会(教育システム情報学会,日本情報科教育学会)等で発表した。
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