研究概要 |
本研究の目的は、学習者の課題解決型学習を複数の学習支援媒体が支援する学習支援モデル及びその学習場における統合支援環境を構築し、学習支援媒体の一つである遠隔TAを育成するプログラムを開発することであり、研究2年度である本年度は、下記の研究項目を遂行した。 (1)国内外のe-Pedagogy及び支援学に関する研究調査 初年度(平成21年度)に続き、学習支援モデルや遠隔TA育成プログラム、e-Learning環境における学習者の学び方モデルの開発を行うために、e-Pedagogyや支援学に関する研究調査(日本情報科教育学会全国大会,日本教育工学会研究会,国際シンポジウム,関連他科研会議への参加等)を実施した。 (2)遠隔TAプログラムの再設計・実践・支援機能の整理 初年度(平成21年度)に抽出された問題点と改善点を踏まえ、大学の科目「情報科教育法」と高等学校の教科「情報」を対象にして、グループで課題解決型学習を展開している高校生をWeb掲示板上から大学生が支援する遠隔TAプログラムを再設計し実施した。その際、学習者の事前アンケート、学習支援プロセスにおける遠隔TAの活動ログ、学習者と遠隔TA間及び遠隔TA間のコミュニケーションログを記録して、遠隔TAプログラムを認知科学的・学習科学的手法によって分析した。また、遠隔TAプログラム(学習支援モデル)上で必要となる学習支援機能を検討し整理した。なお、本プログラムの設計と実践 (3)遠隔TA育成プログラムの開発と実践 遠隔支援能力として必要な学習課題(学習者の特徴やグループの状況の認識,特徴や状況に応じた支援方法の選択,支援時のスキル等)を分析して、学習目標群を作成した。また、学習目標を構造化してプログラムを作成し、各学習目標に対する教材を開発した。実践後、学習目標群及び学習内容の再整理を行った. (4)第2年度研究打合せ,研究成果の発表及び論文投稿 e-Pedagogyや支援学の研究専門家(茨城大学本田敏明先生,京都教育大学の西之園晴夫先生)に研究協力者としてご協力頂き、研究打合せを行わせて頂いた。また、(1)~(3)を中心とした第2年度の研究成果を国内の全国大会と研究会(日本情報科教育学会,日本教育工学会)及び国際学会(CATE2010, CELDA2010)で発表した。
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