研究概要 |
現在,マルチメディア技術の発展に伴って,教育分野の中で教育用映像素材が頻繁に利用されつつある.大量の映像素材がアーカイブ化されつつある反面,映像題目,映像制作会社,映像ジャンルといった予め人手で付与されたキーワード情報を基に管理されているのが現状である.そのため,学習者が事前にキーワード情報について熟知していなければならず,教育効果を低下させる原因になっている. そこで,より教育効果を上げるためには,映像内容に準じた情報で映像を検索する必要がある.映像内容を表すコンテンツとしては,映像フレームの構図情報,音声情報等が挙げられるが,本研究では,ユーザからの入力が容易なテキスト情報に対応した字幕情報に着目する.また,教育用映像素材の中でも特に英会話教育用の映像素材を対象にし,映像から字幕領域を検出する技術,検出した字幕領域から字幕文字を認識する技術,及び学習者が字幕により学習に有効な映像シーンを検索する技術を開発する.このような字幕に基づいて映像シーンを検索できれば,大量の英会話映像素材集から特定の単語が英会話で使用されているシーンのみを集めて試聴することができる.つまり,学習者が詳しく知りたい単語についての用例を,あたかも辞書を調べるように,解説付きの映像データ集で学習することが可能になる. 平成22年度は,ユーザが入力した文字が字幕内に出現するシーンを検索するシステムを開発した.英会話の教育用映像に対する評価実験を行い,システムの有効性を検証した.
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