研究概要 |
本研究の目的は,オープンソースで開発されているLMSを利用・改修して,eラーニングの学習教材・テスト・学習者情報・教材メタデータの国際標準規格に完全対応するオンライン教育用プラットフォームを構築・無償公開することにより,様々な優れた学習用コンテンツが制作され広く共有されるための基盤を確立し,オンライン教育の普及と質向上に貢献することである。本年度は,オープンソースLMSの代表格の一つであるMoodleの仕様および関連する機能の動作確認を行った。従来から広く用いられているバージョンであるMoodle 1.9の内部構造や拡張性および、今後徐々に広まっていくと考えられるMoodle2.0, Moodle2.1, Moodle2.2の内部構造や拡張性についての基礎調査を主に行い、それらの調査結果を4件の招待講演など、学会等での発表で公開した。特に,今後広まっていくことが期待される標準規格であるIMS LTI (Learning Tools Interoperability)準拠の外部ツールについては,Moodle1.9系とMoodle2.x系の両者において動作が可能であることをサンプルツールとの連携動作をテストすることで確認した。また、これらのMoodle内部構造についての調査によって得られた知見をベースとし,オンライン教材の論理的構造を図示して学習者に対して学習内容選択支援をおこなうことで自律的学習を促進するシステム(学習者用および教授者用)の開発や,通常の授業でもMoodleを導入するための機能等の開発も行い,Moodleブロックとして実装し,その成果を論文として広く公開した。また,本研究での調査結果を元に設計・開発された自己学習支援システムも論文として公開した。
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