本研究は、大学等のカリキュラムにおける組み込みプログラミング教育において、特に100名以上を対象に、2、3名の少人数教員で指導するために、各種ログを収集分析することで教育支援を可能にするシステムの開発及び評価分析を行うことを目的としている。ここでは、学習者は個々の学習者が独立に各々のペースで作業をすすめることができるよう、開発用個人ブースが与えられており、グループ学習や協調学習は原則として想定しない。 実験用個別ブースには、企業と独自に開発した実習用ボードKNOPPIX-Edu-AVR(Atmel社製8bitマイクロプロセッサ:ATMega168)、Linux搭載のクロスコンパイル用PCの他に、関連した実験機器としてオシロスコープ、ファンクションジェネレータなどを装備している。実験指針はすべて電子ファイルとしてサーバから配信されており、スライド形式の手順書を閲覧することで、個々に順を追って実験を進めることが可能である。これらの閲覧記録は再閲覧を含め、すべて手順書配信サーバに記録され、アクセス履歴から演習の進捗を監視することが可能である。これまでの研究で、この閲覧記録を分析することにより、手順書各ページの関連性などの分析が可能であることが見出されてきた。一方で、組み込み開発におけるクロスコンパイルの環境は各クライアントに実装されているため、コンパイルの記録などを集約し、分析することは難しい。そこで、本研究では、Wrapperプログラムを作成し、Linuxクライアントに記録されたログを、sshプロトコルベースのファイルシステムをサーバにマウントすることでデータを収集する仕組みについて開発と検証を行った。これまでにログ収集システムの動作確認を行い、改良と実証実験を行っている。
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