研究概要 |
現在,ほとんどの高等教育機関においてコンピュータ実習設備が整備されており,1)全学的なコンピュータリテラシー教育,2)理工系を中心とした専門的ソフトウェアの利用,3)理工系を中心としたソフトウェア教育,を中心に活用されている.しかし,ロボット・メカトロニクス分野における教育(以下,ロボメカ教育)についても,コンピュータの利用が不可欠であるにも関わらず,コンピュータリテラシー用設備を用いた教育の実施例は少ない.その大きな理由として,ロポメカ教育の場合には,様々なハードウェアを伴った教材が必要であり,全学的に使用する設備に対して,そのような機材を導入する事が困難である点が挙げられる. 以上の問題に鑑みて,本研究ではコンピュータリテラシー用設備に導入可能なロボメカ教育用教材の開発と,その教育現場への導入を試みる.本年度においては,教員が使用する教材として,3次元電子黒板の開発を中心に行った.ロボット工学においては,運動学や動力学の教育において空間事象を扱う事が多く,空間把握能力が重要となる.そこで,教育目的に特化した廉価な3次元ディスプレイを開発し,これと3次元力覚入力装置を組み合わせて使用する事により,黒板の3次元化を実現し,実空間に空間事象を描画するシステムを構築し,これについて学会発表を行った. また,被教育者が使用する教材として,コンピュータリテラシー設備に簡単に持ち込み,使用することができるマイクロコンピュータ実習用ボードの開発を行っている.これについては22年度において,実際の講義科目に導入し,通常講義と並行して一人一台の環境で,連続的なカリキュラムベースによる教育の実施を試行する予定である.
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