研究概要 |
Sakai CLE(Collaboration and Learning Environment)は数多くの機能を有しているが,必ずしも自由な教育を実施する教員にとっては完全な教育支援環境ではない.筆者はICTを活用した教育環境の向上を目指して様々な教育システムを開発しているが,開発したシステムの実証実験結果が良好な場合にはSakai CLEの一機能として組み込みたい場合がある. 本研究で対象としている学習者情報提示システムは遠隔教室におけるActive Learningを促進するために開発されたシステムであり,本研究以前の実証実験にて教員の積極的な利用を確認できていた.そのため,本研究はこの学習者情報提示システムを汎用化し,Sakai CLEに統合させることを目的として計画された. 平成21年度は学習者情報提示システムのレベルアップを行い遠隔講義での実証を計画していたが,遠隔講義が縮小されたため,平成22年度に予定していたSakai CLEとの統合を先に実施することにした. 具体的には,Sakai CLEのユーザプロファイルに「興味領域」という項目を追加し,それを学習者情報提示システムで参照できるようにした.システム的にはSakai CLEと学習者情報提示システムのデータベースの統合を行い,それぞれのシステムが有するテーブルから関連する4つのテーブルを抽出し,それらを用いてViewを作成し,学習者情報提示システムにて学習者を提示できるようにした. 結果として,Sakai CLEのユーザプロファイルで入力した氏名,所属,興味領域を学習者情報提示システムにて参照できることを確認できた.また,Javaで開発されているSakai CLEにPHPで開発された学習者情報提示システムを統合するためには,データベース統合が最適な手法であることを確認した.
|