研究概要 |
本研究のベースとなった学習者情報提示システムは遠隔教室におけるActive Learningを促進するために開発されたシステムである.このシステムはハンドヘルドリーダでICタグカードを読み取る方式のため,操作を支援する要員が必要であり,また2教室のデータをその場で編集しなければならないためリアルタイム性に欠けていた.本研究ではこの学習者情報提示システムを汎用化し,Sakai CLE(Collaboration and Learning Environment)に統合させることを目的とし,当初以下のようなシステム開発を行う計画を立案した. (1)ICタグの読み取りを駅の自動改札のようにTouch&Goとし学生自身が行うこと. (2)学生がその科目で習得したい知識をSakaiのProfileツールによって登録させ,その登録情報から担当教員が授業時にその属性を含んだ一覧表を手元のPCにて表示できること. 平成21年度はSakai CLEのユーザプロファイルで入力した氏名,所属,興味領域を学習者情報提示システムにて参照するシステムを開発し,上述した(2)を完了した.平成22年度はICタグの代わりに学生証として本学で導入され他大学でも採用が進んでいるFelicaベースのシステムを開発し(1)を完了した. 本年度はこのシステムを米国ロサンゼルスにて開催されたSakai Conferenceにてデモンストレーションし,国際的なSakaiコミュニティメンバの評価を受けた.つぎに本年度後期には自身が担当する学生数16名の授業に適用し実用性を確認した.さらにコミュニティメンバからのコメントおよび授業での利用で明らかになった課題を整理し,所属する研究センタの研究報告にて報告を行うとともに開発したシステムをオープンソースソフトウェアとしてWebサイトに公開した.
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