本研究は、作曲と音楽理論を学ぶためのe-learningシステムの構築と教育方法の開発、その教育効果の検証を目的としている。本研究では、これまでに行ってきた研究「音楽教育マルチメディア教材の構築と利用効果の検証」、「音楽教育におけるe-ラーニングシステムの構築(基盤研究C No.18500728)」の成果とWeb教育システムをさらに発展させ、より高度な音楽教育(作曲法、和声学、ポピュラー音楽コード理論)を行うためのシステム構築と教材コンテンツの作成を第一の目的としている。同時に、作成コンテンツの教育効果を検証し、より教育効果の高い教材に発展させることを目指している。本研究は、4年間の研究期間を2期に分け、前半2年間はコンテンツ作成に重点を置き、講義内で利用しながら教育効果の基礎調査を行い、後半2年間は教育効果の調査を主体とし、その結果をフィードバックしてコンテンツのアップグレードを行う計画である。 以上の研究計画に従って、前半初年度である今年度の研究は以下の通り行った。 1. e-learningシステムの構築 初年度は、これまでのシステムとコンテンツをアップグレードし、試作段階にあったコンテンツを追加して、新しいWeb教材体系を構築し、講義で利用した。 2. 教育効果の検証 e-learningにおける教育効果の検証として、単元「移調」で予備調査を行った。「移調」の教育効果調査は、総合的な音楽基礎能力の評価基準として、平成20年度から行っている。 3. 研究成果の発表 本研究の成果は(社)私立大学情報教育協会「教育改革IT戦略大会」で発表した。 パーソナルコンピュータ利用技術学会・全国大会では「優秀研究発表賞」を受賞した。
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