本年度は、次の資料館において調査を行った:国立国会図書館、東京大学総合図書館及び駒場図書館、アメリカ議会図書館(オッペンハイマー文書およびI.I.ラビ文書)、カリフォルニア大学バークレー校、ノースカロライナ州立大学。これらの資料館において、日本の物理学者、とくに仁科芳雄の書簡や文書、および書籍を中心に、戦前日本の原子物理学に関する資料を収集または調査した。 6月のベルリンのマックスプランク科学史研究所における量子力学の歴史についての国際研究集会、HQ3に参加し、本研究成果の一部を発表した。その発表内容に基づいてこの研究集会のプロシーディングズに論文を投稿した。7月駒場でのSociety for Social Studies of Scienceで、関連した研究発表を行った。11月にバルセロナで開かれたヨーロッパ科学史学会で、本研究の一部分を発表した。 また、日本の戦前から戦中の原子物理学に関す原資料の書籍や論文および、日本の原子物理学に関する二次文献の書籍や論文の収集を継続した。 以上の資料調査と並行して、出版物とするための企画書(出版社と交渉するためのプロポーザル)を改稿し、かつ出版物の執筆をすすめた。
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