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2009 年度 実績報告書

真菌の分泌物質を大気中で検出するための可搬型イオンモビリティー分析法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21500988
研究機関奈良女子大学

研究代表者

竹内 孝江  奈良女子大学, 理学部, 准教授 (80201606)

キーワードMVOC / 微生物由来揮発性物 / SPME / 固相マイクロ抽出 / カビ臭 / IMS / イオンモビリティースペクトル / データベース
研究概要

カビの微生物揮発性有機化合物(MVOC)を利用してポータブルで簡易なカビ臭検出装置開発の基礎技術を研究している。既存のイオンモビリティースペクトロメーター(IMS装置)は小型であるが、カビ発生の初期段階でカビ臭物質を検出できるほどの感度がない。また、カビのIMSスペクトルを解析するソフトウェアがない。平成21年度は次のような成果を得た。
1. IMS装置の検出感度向上のための極微量のニオイ分子捕集技術開発
固相マイクロ抽出(SPME)は微量物質の捕集方法として優れているが、既存のSPMEは長さと吸着材の塗布量が限定され、吸着効率や加熱機構との組み合わせの設計自由度が小さい。基材として128mmの長さの塗布部分を持つタングステンとレニウムを検討した。その結果、タングステンは直接通電により200℃まで加熱しても変形が無く、寿命と吸着素材との密着性において優れていることがわかった。また、通電可能で、揮発性物質(分子量が60から200程度)に適する固相吸着剤としてはポリジメチルシロキサン(PDMS)が適することがわかった。シリコーン樹脂を溶媒で溶かした後タングステンフィラメントに塗布し、吸着材として成形した。1.2Wの直流通電により、200℃まで加熱可能で、繰り返し使用可能な吸着材を作製することができた。
2. カビ臭のデータベース作成
既存のIMS装置は主に爆薬の検出のために開発され、カビ臭のIMSスペクトルデータベースはない。本研究のポータブル検出装置を用いたスペクトルから未知のカビ臭物質を推定するには、カビ臭のIMSスペクトルデータペースが必要である。H21年度においては、機知のカビの23株を培養し、カビ培養器の揮発性物質のGC/MSおよびIMSのデータベースを作成した。また、カビのMALDIMS測定のためのマトリックスとなる物質を検討した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Distinct Features of Matrix-Assisted 6 μm Infrared Laser Desorption/Ionization Mass Spectrometry in Biomolecular Analysis2009

    • 著者名/発表者名
      田尻道子
    • 雑誌名

      Analytical Chemistry 81

      ページ: 6750-6755

    • 査読あり
  • [学会発表] 文化財環境モニターのための小型臭気センサーの開発2010

    • 著者名/発表者名
      竹内孝江
    • 学会等名
      日本化学会第90春季年会
    • 発表場所
      近畿大学(大阪府)
    • 年月日
      2010-03-29
  • [学会発表] Development of the portable mold-derived odor detecting system based on IMS technique for preventing the deterioration of the cultural propertie?s2009

    • 著者名/発表者名
      大久保衛
    • 学会等名
      18th International Conference on Mass Spectrometry
    • 発表場所
      Bremen, Germany
    • 年月日
      2009-08-31
  • [学会発表] Microbial Volatile Organic Compounds of Aspergillus sp.2009

    • 著者名/発表者名
      竹内孝江
    • 学会等名
      58th ASMS Conference on Mass Spectrometry and Allied Topics
    • 発表場所
      Philadelphia, USA
    • 年月日
      2009-06-03
  • [学会発表] Aspergillus fumigatus由来の揮発性有機化合物の質量スペクトル2009

    • 著者名/発表者名
      田中春菜
    • 学会等名
      第57回質量分析総合討論会
    • 発表場所
      大阪国際交流センター(大阪府)
    • 年月日
      2009-05-15
  • [図書] JSPS-IIAS Joint International Symposium on Conservation Technology for Cultural Heritage2009

    • 著者名/発表者名
      金子幸代
    • 総ページ数
      86
    • 出版者
      Microbial volatile organic compounds (MVOCs) and their presumed physiological role for growth regulation in the soil-derived fungal organisms

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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