研究概要 |
1.死亡月別死亡数は,死因第1位の悪性新生物では月別にほとんど変動がないが,死因第2位の心疾患,第3位の脳血管疾患では,冬季に多く夏季に少ない冬山型である(厚生労働省,2006)ので,2004年の心疾患・脳血管疾患死亡の死亡月別都道府県別死亡数(厚生労働省,2006)から,都道府県毎に季節別1日平均死亡指数を年平均に対する比として算出し,冬季に夏季の何倍の死亡数があるのかを,「死亡数の冬夏比」として調べた。全国のデータでは男性,女性とも心疾患の方が脳血管疾患よりも冬季と夏季の差が大きい。都道府県別心疾患死亡数の冬夏比(男,女)では,男性,女性とも北海道,東北地方の日本海側から北陸地方にかけて冬夏比が小さい傾向がみられた。 2.男性は1975年以降、女性は2000年以降全国の都道府県中で最も平均寿命が低い青森県において,死亡率にどのような地域差が見られるのかについて,二次医療圏別に,全死因と三大死因のSMR(「人口動態保健所・市区町村別統計」厚生労働省)のデータを解析した。SMRの95%信頼区間を考慮して「青森県平均以下」と「青森県平均以上」の地域を判断したところ,平成15~19年(2005年)には,男性,女性とも太平洋側の二次医療圏「八戸」と「上十三」でSMRが低く,「津軽」,次いで「青森」でSMRが高い傾向がみられた。1985年から2005年までのSMR(男性の悪性新生物)でも類似した傾向があり,この期間継続して,「津軽」で高く,「八戸」と「上十三」で低いことが確認された。
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