研究概要 |
ALOS衛星に搭載されたAvnir-2センサが取得したマルチスペクトル画像とPrismセンサが取得した高分解能パンクロ画像からセンサーフュージョン処理によってパンシャープン画像を作成し,そのオブジェクト画像分類からインドネシア・ジャワ島内に展開するさまざまな形状・サイズの水田の分類抽出解析を行い,その精度評価を実施した。その結果,低平な沖積平野に展開する均質な水田については総合精度90%,総合カッパー係数で0.8を超える極めて高い精度で水田を分類抽出することができた。これは,従来のピクセルベースでのスペクトル画像分類手法(教師つき最尤法分類など)に比べてはるかに高い分類精度である。一方,我が国同様に山間地域の複雑な地形のなかに展開する小規模な棚田水田等については,Avnir-2にPrism画像をセンサーマージしてパンシャープン処理を施すことによって水田のセグメンテーションをより的確に捉えることができるようになり,Avnir-2画像のみの分類による精度評価値(総合精度71%,総合カッパー係数0.67)と比較してより高い精度評価値(総合精度81%,総合カッパー係数0.76)を実証することができた。これらの実験的作業により,我が国の植生・土地利用図作成においても,従来の衛星画像分類による植生・土地利用図よりもより詳細な土地利用や植生の分類界を図化する可能性が高まってきたと評価できる。
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