2009年乾期~2011年乾期の間に5回にわたってアマゾンの天然林・再生林・牧場の3箇所で微気象観測と幹内蒸散流計測を行った。再生林・天然林のサップフローとその個体の辺材部面積との関係から、蒸散量は再生林では8. 1~17. 2 t/ ha/ day、天然林では10. 9~24. 3 t/ ha/ dayであった。牧場の蒸発量は8. 2~28. 7 t/ ha/ day、降水量は16. 1~112. 7 t/ ha/ dayであった。牧場が牧草に覆われていると蒸発が森林の蒸散を上回ったが、家畜が牧草を喫食すると乾期は裸地化し、蒸発<蒸散となった。後者では地表付近の温度上昇や土壌の気相率の上昇が蒸発の進行とともに起こった。牧畜の中止、再生林化がアマゾンの乾燥化を食い止めるのに有効である。
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