研究課題/領域番号 |
21501002
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
前門 晃 琉球大学, 法文学部, 教授 (60190287)
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研究分担者 |
廣瀬 孝 琉球大学, 法文学部, 准教授 (40305181)
青木 久 大東文化大学, 経営学部, 准教授 (30423742)
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キーワード | 円錐カルスト / 地形特性 / 地形プロセス / 構成物質 / 琉球列島 |
研究概要 |
本研究はさまざまな時代に形成された石灰岩が分布する亜熱帯琉球列島の沖縄島、宮古島、石垣島において、円錐カルストの地形測量と構成物質の定量的な把握を行うことによって円錐カルストの地形特性・微地形特性と構成物質との対応関係を明らかにし、対応関係をもたらした地形プロセスを溶食のみならず石灰岩の物理的風化、物理的地形プロセスを加味して解明しようというのが目的である。 本年度の研究では、琉球石灰岩に円錐カルストが形成されている沖縄島中南部、宮古島において、円錐カルストの分布、斜面勾配を調べ、中・古生代石灰岩円錐カルストと比較検討した。また、中・古生代の石灰岩に円錐カルストが形成されている沖縄島本部半島において、ピナクルの破砕面の方向、円錐カルストの長軸方向、断層の方向とを調べ、円錐カルストの形成過程を明らかにした。また、円錐カルスト頂部での石灰岩の物理的風化・崩落の可能性を探るために、ピナクル表面温度を測定した。 琉球石灰岩が分布する地域にも、多数の円錐カルストが形成されている。琉球石灰岩円錐カルストの斜面勾配は、中・古生代石灰岩円錐カルストに比べて小さく、このことには、石灰岩の間隙率が関係していると思われる。ピナクルの破砕面の方向、円錐カルストの長軸方向、断層の方向には、共通した方向があり、このことが、円錐カルストの形成に関わっているものと思われる。石灰岩表面温度は、最高で55.1℃となり、日較差は最高で29.9℃であった。雨による急激な温度変化も観察され、最大で2分間で-1.5℃の温度変化が認められた。このような温度変化は、石灰岩の熱風化を考える材料となるものと思われる
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