研究概要 |
日本アルプスの高山帯における景観(地形・植生)成立過程に対して,従来その影響が十分検討されてこなかった地すべり地形・現象に着目し,地形学・第四紀学及び植物生態学・古生態学の視点で考察した.北アルプス白馬岳や烏帽子岳,朝日岳,蝶ヶ岳では巨大な地すべりコンプレックス(複合体)や重力変形地形が高山植生の配列を決めていることが明らかとなった.北アルプス水晶岳では完新世初頭に巨大地すべりが発生し,湿原やパッチ状針葉樹林の形成に影響を及ぼしてきたことが推定された.またGISを援用した統計解析により,北アルプスの高山湖沼の成立に地すべりが密接に関連していることも明らかとなった.
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