• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

ホルムアルデヒドによる国内雨水の汚染実態と汚染機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21510010
研究機関富山大学

研究代表者

田口 茂  富山大学, 大学院・理工学研究部(理学), 教授 (80089838)

キーワードホルムアルデヒド / アセトアルデヒド / 雨水の汚染 / 全国調査
研究概要

【調査結果とデータ解析】
昨年度に引き続き,国内(北海道から九州まで12地点)における雨水のホルムアルデヒドによる汚染実態調査を平成22年4月~平成23年3月に渡って実施した。これまでの2年間分のデータをまとめ,考察した。その結果,(1)1降雨ごとにボトルに採取した試料について,場所や季節による汚染レベルの明瞭な傾向は見出せなかった。しかし,各降雨イベント時の降雨量に対して汚染レベルをプロットすると,ほぼ一本の曲線に収束することを見出した。降雨量が汚染レベルの測定値を大きさを決める最も大きな因子であることがわかった。降雨量を考慮して,汚染レベルの変動モデルを作成し,地点や季節による汚染レベルの違いを評価したところ,データのばらつきの範囲でほとんど差がないことがわかった。(2)1降雨イベント間に,1mmずつ降雨を採取し,より詳細に汚染レベルの変化を追跡した。その結果,3mm以下の初期降雨において汚染物質(ホルムアルデヒドやアセトアルデヒド)のほとんどが降下し,それ以降は,汚染レベルの低い降雨であることがわかり,先の汚染の変動モデルが正しいことが確認された。また,降雨の中断後に降り始めた雨には再び高い濃度のホルムアルデヒドが含まれることがわかり,降雨の様子によって汚染レベルが変動することも確かめた。
【研究成果の公表と評価】
分析化学討論会において依頼講演,また,日本化学会の中部地域の学会に招待講演の講師としてこれらの成果を発表した。また,日本分析化学会の年会において"展望とトッピクス"講演に選ばれ,さらに,その内容は新聞の全国誌(毎日9/17,朝日9/15)に報道され,インターネット(Yahoo!)のトップページ(9/17)にも掲載された。広域の環境汚染問題として社会の関心を集めている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 真空紫外線による光酸化を用いるクロム(VI)と全クロムのフローインジェクション逐次定量2010

    • 著者名/発表者名
      田口茂, 藤井絢子, 起孝志, 倉光英樹, 波多宣子
    • 雑誌名

      分析化学

      巻: 59 ページ: 1133-1136

    • 査読あり
  • [学会発表] 膜捕集による簡易分析法の高感度化と環境分析2010

    • 著者名/発表者名
      田口茂
    • 学会等名
      第41回中部化学関係学協会支部連合秋季大会
    • 発表場所
      豊橋技術科学大学(豊橋市)
    • 年月日
      20101106-20101107
  • [学会発表] 国内雨水のホルムアルデヒド汚染2010

    • 著者名/発表者名
      田口茂,早川由佳里,田水伸弥・倉光英樹,波多宣子
    • 学会等名
      日本分析化学会第59年会
    • 発表場所
      東北大学川内北キャンパス
    • 年月日
      20100915-17
  • [学会発表] 膜抽出を利用する高感度な簡易水質分析2010

    • 著者名/発表者名
      田口茂
    • 学会等名
      第71回分析化学討論会
    • 発表場所
      島根大学(松江市)
    • 年月日
      20100515-20100516
  • [図書] 環境分析ガイドブック2011

    • 著者名/発表者名
      田口茂, 他(日本分析化学会編)
    • 総ページ数
      823
    • 出版者
      丸善

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi