研究課題/領域番号 |
21510025
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研究機関 | 埼玉県環境科学国際センター |
研究代表者 |
米持 真一 埼玉県環境科学国際センター, 大気環境担当, 専門研究員 (90415373)
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研究分担者 |
梅沢 夏実 埼玉県環境科学国際センター, 大気環境担当, 担当部長 (30415369)
王 効挙 埼玉県環境科学国際センター, 化学物質担当, 専門研究員 (20415392)
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キーワード | サブミクロン粒子 / 金属成分 / 磁気的性質 / ニッケル |
研究概要 |
サブミクロン粒子の特性を調べるため、東京(新宿)及び郊外(埼玉県騎西町)において、アンダーセンサンプラーを使用し、夏期及び初冬期の1週間ずつ、エアロゾルの捕集を行った。全ての粒径別試料について、質量濃度及び水溶性イオン成分の分析を行った。サブミクロン粒子濃度は、夏期は新宿と騎西で大きな差が見られなかったが、初冬期は騎西の方が高い傾向が見られた。 次に金属成分分析及び磁気的分離を試みた。対象は粒径1.1~0.65μm、0.65~0.43μm及び0.43μm以下の3種類の試料とした。まず、粒子及びフィルターを凍結粉砕し、ネオジウム磁石による磁気(磁束密度0.4T)によって吸着する成分(磁性成分)と、それ以外の成分に分類した。続いてマイクロウェーブによって酸分解を行い、ICP-MSで金属成分を測定した。Ni、Cd、Pb、Znを対象として評価を行ったところ、Cd、Znはどの粒径でも磁性成分が約2割程度存在していた。これは粒子が一定の割合で静電的に付着したためと考えられた。そこで、これを基準とし磁性成分の有無を調べたところ、Niでは、1.1~0.65μmの成分で特に磁性成分の比率が高いことが分かった。(磁性Ni)/(全Ni)は騎西で6割、新宿では8割に達していたが、0.43μm以下の粒径では、いずれの地点でも3割であり、粒径によって化合形態が異なっていることが示唆された。また、Pbでは、これと反対に0.43μm以下の粒径で(磁性Pb)/(全Pb)が7割と高くなり、1.1~0.65μmの粒径では3割以下となった。以上より、磁気的性質に着目することで、金属の存在形態についての知見が得られる可能性があることが分かった。
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