研究課題/領域番号 |
21510025
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研究機関 | 埼玉県環境科学国際センター |
研究代表者 |
米持 真一 埼玉県環境科学国際センター, 大気環境担当, 専門研究員 (90415373)
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研究分担者 |
梅沢 夏実 埼玉県環境科学国際センター, 大気環境担当, 担当部長 (30415369)
王 効挙 埼玉県環境科学国際センター, 自然環境担当, 専門研究員 (20415392)
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キーワード | サブミクロン粒子 / 金属成分 / 磁気的性質 / ニッケル / 富士山 / 上海 |
研究概要 |
2010年度に引き続き、夏期と初冬期に、アンダーセン・ローボリューム・サンプラーを使用して、エアロゾルの粒径別捕集を行った。捕集地点は、新宿区(都心)、加須市(郊外)、中国上海市(上海大学)および富士山頂(夏期のみ)とした。 サブミクロン粒子の質量濃度は、富士山頂≦新宿区・加須市<上海市となったが、PM_1/PM_<2.5>は、国内と比べて、夏冬共に上海市が低い値となり、上海市内では粗大粒子を含めた大気粉じん量が多いため、PM_<1-2.5>の粒子も多いことが原因と考えられた。 PM_1に含まれる水溶性イオンでは、多くの成分で富士山頂<新宿、加須<上海であったが、国内と上海の差は多くても2倍程度であった。これに対して、金属成分では、上海が国内の5倍~10倍高い成分が複数存在した。 ネオジウム磁石(表面磁束密度0.4T)を用いて磁気分離処理を行い、磁性フラクションと非磁性フラクションとをそれぞれを酸分解-ICP-MS法により金属成分を分析した。 磁気分離処理の際には、静電気の影響を抑えるために、イオナイザーによって除電を行った。また、前段の分級段からの再飛散の影響を抑えるため、複数の分級段に分けて捕集した粒子を、粒径1μm以下としてまとめ、一括して分析した。全金属に占める磁性フラクションの比率を求めたところ、Mn、Ni、Co、Cu、Sr、Ba、Nd、Th、Uについては、加須<上海となった。磁気分離法を用い、これら成分に着目することで、中国からの長距離輸送について指標性がある可能性が示唆された。
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