研究概要 |
富山湾の海水汚染をモニタリングするための基礎研究として,その海水中のバクテリア群集構造をPCR-DGGE法で観察した。その結果,表層海水中のバクテリア群集構造は,年間を通して比較的安定していたが,緩やかに季節変動していることが判った。また,河口に近い表層海水中のバクテリア群集構造は,河川水の影響を受けて変化しやすいことが判った。一方,水深約320mの海洋深層水中のバクテリア群集構造は年間を通して非常に安定しており,能登半島先端から富山湾の奥部まで,ほぼ一様であった。しかし,深層水中のバクテリア群集構造は,表層のそれとは明確に異なっていた。次には,これらの基礎研究を基に,富山湾における海水汚染とバクテリア群集構造の変化との関わり合いを調べていきたい。
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