1)RCE推進の駆動力の解明: 地域のステークホルダーが感じている駆動力に関し、RCE仙台広域圏の関係者は、これまでの活動の延長線上における活動であったこと、それらの活動をさらに発展させる新たな視点が導入されたことが駆動力になったと指摘した。他方、RCE岡山に関しては、岡山市のコミットメントが当初の駆動力であったことに対し、岡山大学等の新たなステークホルダーグループの台頭、公民館組織によるESDの活発化、学習指導要領の改訂を踏まえたユネスコスクール推進に向けた動き等がRCE推進に向けた新たな駆動力となったと指摘している。これらの分析結果から、RCE推進の駆動力は時代とともに変化し、段階に応じた新たな駆動力が生まれてきたことが明らかにされた。これらの見解は、各種の学会、専門家会議等を通じた関係専門家との討議により、深化された。 2)ESDが学力向上に及ぼす影響の検討: 各種の文献検索及びヒアリング調査により、ESDと学力に関する評価が学校現場でどのように実施されているかの調査を行った。特に、気仙沼市教育委員会及び気仙沼市の小中学校、金沢市教育委員会及び金沢市の小中学校を対象とするヒアリング結果から、ESD活動を継続的に推進している学校ではESDの成果を評価する声が強い一方、新たにユネスコスクールになり、ESDを推進し始めた学校ではESDの評価に関するとまどいが大きいことも明らかになった。また、多くのユネスコスクール申請書の分析結果から、ESDの評価手法に関し、学校現場では未だ試行錯誤的な段階にあることが明らかにされた。
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