これまで、CYP1A1プロモーター領域に、Sp1、CREMという因子が転写の状態にかかわらず常に結合していることを明らかにしてきた。さらに、転写が抑制されているときには、HDAC1というヒストン脱アセチル化酵素が結合し、ヒストンアセチル基転移酵素活性を持つCBPが結合する結果を得た。また、Re-ChIPアッセイ法を行い、転写が起きていないときには、Sp1とHDAC1の結合が観察され、転写が開始されるとこの結合が外れることが示された。Sp1のSer-59は脱リン酸化されることで、標的遺伝子の転写が亢進することが知られている。TCDD処理により活性化されたPP2AがSp1のSer-59の脱リン酸化を引き起こし、CYP1A1の転写が活性化される機構が考えられた。
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