研究課題
平成22年度は、平成21年度に引き続きワニ胚における生殖器および輸管系の分化についての詳細なアトラス作りを目指してフロリダに出張し、フロリダ大学ジレット教授の下で飼育されているワニ胚の後半ステージの供与を受けた。これらステージにおける生殖器官および輸管系はすでに雌雄分化しており、オスにおけるミュラー管退縮に関係するホルモンの存在について明らかにするとともに、プロモータ領域や転写因子であるSF-1、GATA、WT-T、SOX9の結合部位同定し、ミュラー管退縮ホルモンとSOX9が生殖腺および輸管系の温度依存性性分化に重要な役割を演ずることを証明し、論文公表を行った(Urushitani et al.,2011)。勝は他の爬虫類を含めてワニのエストロゲン受容体のクローニングと染色体マッピングを作成して、受容体のヘビ、カメとの類縁関係を明らかにして公表した(Katsu et al.,2010)。太田は平成21年度に確立したワニエストロゲン受容体および市販哺乳類抗体を用いてワニ組織(卵管、甲状腺)の免疫染色を実施し、ワニの発達に伴う甲状腺におけるエストロゲン、アンドロゲン、甲状腺ホルモン受容体の遺伝子発現と合わせて、幼弱期から成体までの甲状腺におけるこれらの受容体発現(遺伝子、タンパク)に変化が無く、甲状腺が幼弱期から機能していることを明らかにして、共同研究者と論文作成、公表した(Bermludez et al.,2011)発生・分化途上にあるワニ生殖器官については順次組織切片を作製して、アトラス化を目指しており、全体の3/4の図譜を作成した。
すべて 2010 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)
Endocrinology
巻: 151 ページ: 5710-5720
DOI:10.1210/en.2010-0356
Mol.Col.Endcrinol
巻: (in press)
J.Morphology