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2011 年度 実績報告書

海洋石油分解微生物群集の有用多環芳香族炭化水素分解酵素群の探索と浄化への応用

研究課題

研究課題/領域番号 21510090
研究機関日本大学

研究代表者

岩淵 範之  日本大学, 生物資源科学部, 講師 (90328708)

キーワード海洋石油汚染 / 多環芳香族炭化水素 / バイオレメデーション / Cycloclasticus / メタプロテオーム
研究概要

Cycloclasticusは海洋性の多環芳香族炭化水素(PAHs)分解菌であり、PAHsで汚染された海水中で優占種となる有用な石油分解菌である。しかしながら、同菌の優占化はアルカン等の存在により抑制されることから、同菌の有用なPAHs分解活性を安定して発現させるためには、同菌を対象とした培養制御技術の開発が必要である。
本研究ではCycloclasticus属細菌を中心とする複合微生物群集のメタプロテオーム解析を行うことにより実際の汚染環境下で強い活性を示すPAHsダイオキゲナーゼの探索を試みた。
一昨年度はその第一段として、Cycloclasticus sp. S4株の単一培養によるプロテオーム解析を行ったところ、同菌は添加するPAHsの種類によりPAHsダイオキゲナーゼを使い分けていることなどが示唆された。
昨年度、これらの結果を基に本年度は、炭素源をビフェニルにした条件での複合微生物系を対象としたメタプロテオーム解析を行ったところ、複合微生物系の中で発現しているビフェニル分解酵素群の中で、初発の酸化反応から開環のステップまでを担う酵素のほとんどがCycloclasticus由来の酵素が司っていると考えられた。
上述した経緯を踏まえ、今年度は、これまでの結果を確認するため、本複合微生物系の多様性の解析を行った。まず、リボゾームタンパク多様性を検討したところ、検出されたリボゾームタンパクの約30%がCycloclasticus由来のものと考えられた。一方で、同じ条件の培養系からtotalDNAを抽出し、PCR-DGGE解析を行ったところ、同菌の優占化が確認された。これらのことから、Cycloclasticusが本複合微生物系で活発に活動していることが示唆され、ビフェニルの分解における序盤の代謝に重要であることが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011

すべて 学会発表 (5件)

  • [学会発表] 石油汚染下の微生物群集中における海洋性多環芳香族炭化水素(PAHs)分解菌Cycloclasticusの培養制御について2012

    • 著者名/発表者名
      山下、岩淵, 他
    • 学会等名
      日本農芸化学会
    • 発表場所
      京都女子大学
    • 年月日
      2012-03-24
  • [学会発表] Rhodococcus erythropolis PR4株の培地/アルカン二相培養系における細胞の局在性に対するgroES-EL1遺伝子の影響2012

    • 著者名/発表者名
      瀧原、岩淵, 他
    • 学会等名
      日本農芸化学会
    • 発表場所
      京都女子大学
    • 年月日
      2012-03-24
  • [学会発表] Rhodococcus rhodochrousの培地/アルカン二相培養系における細胞の局在性へのgroEL2遺伝子の影響2012

    • 著者名/発表者名
      松浦、岩淵, 他
    • 学会等名
      日本農芸化学会
    • 発表場所
      京都女子大学
    • 年月日
      2012-03-24
  • [学会発表] シリングアルデヒドから水溶性の黒色色素を生産する微生物Pseudomonas sp.ITH-SA-12012

    • 著者名/発表者名
      滝口、岩淵, 他
    • 学会等名
      日本農芸化学会
    • 発表場所
      京都女子大学
    • 年月日
      2012-03-24
  • [学会発表] Rhodococcus erythropolis PR4株の培地/アルカン二相培養系における細胞の局在性に対するgroES-EL1遺伝子の影響2011

    • 著者名/発表者名
      瀧原、岩淵, 他
    • 学会等名
      日本微生物生態学会
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2011-10-08

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公開日: 2013-06-26  

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