研究概要 |
シイタケ廃培地は1次、2次、3次発生培地抽出液を用いてセルラーゼ、アミラーゼ、キシラナーゼを含むヘミセルラーゼ活性、プロテアーゼなどの酵素活性を10種類のAZCL-基質を用いて測定した。その結果1次発生培地では酵素活性は弱く2次、3次発生の廃培地の順に酵素活性は上昇した。3次発生培地において強い酵素活性は、キシラナーゼ、セルラーゼであり、β-マンナナーゼ、アラビナナーゼ、ガラクタナーゼ、ラムノガラクチュロナーゼがそれらに続いた。しかしプロテアーゼ、アミラーゼ活性はほとんど認められなかった。ペクチナーゼについてはソモジネルソン法で測定し、3次発生後廃培地にのみ活性を認めた。各種グリコシダーゼ活性についても9種類のPNP基質を用いて測定した。活性の認められたものでも発生前培地、1次廃培地では非常に低い活性しか認められず、2、3次の廃培地で次第に増加した。3次発生の廃培地のグリコシダーゼ活性は強い順にβ-グルコシダーゼ、β-ヘキソサミニダーゼ、β-マンノシダーゼ、α-マンノシダーゼ、α-グルコシダーゼ、β-キシロシダーゼでありラムノガラクチュロナーゼ活性はほとんど認められなかった。 リグニン等を分解するラッカーゼ活性については、2,6-dimethoxyphenolを用いて酵素活性を測定した。シイタケ培地では1-3次発生後の培地においても活性は子実体より弱く、ヤマブシタケにおいても子実体より弱いが、ヤマブシタケ、シイタケの培地活性はほぼ同じ強さであった。培地を酵素剤として用いるにはどういうものが良いかあるいは組み合わせで向上するものか検討の必要がある。
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