研究課題
きのこの種類、品種によっては人工栽培においても焼酎粕だけでなく、おが屑を分解し栄養源として活用するものもあり、(廃)培地に含まれるきのこ由来の有用成分はきのこの種類、品種により異なる。本研究では昨年度に引き続き、ヒラタケの栽培を試み、子実体および廃培地の有用成分の分析を行った。具体的には、リグニン、セルロース、ヘミセルロースなどの分解酵素活性と抗酸化作用を測定した。また家畜の飼料として用いられるイタリアンライグラス、稲わら、イモズルにシイタケ廃培地、ヤマブシタケ廃培地から調製した酵素製剤を作用させ、その後のNDF量を定量した。NDFは2M TFAで加水分解後、ABEE化し、糖組成をHPLCで定量した。またセルロースに由来するグルコースは硫酸分解後定量した。ヒラタケ培地ではヤマブシタケ培地と比較するとAZCL-多糖基質の分解は、α-アミラーゼ、アラビナナーゼ活性が極めて高いが、セルラーゼ、β-マンナナーゼ活性は低かった。他の多糖類分解酵素活性は両廃培地ではそれほど差が認められなかった。ヒラタケ子実体においてはほとんどの多糖類分解活性は弱く、廃培地とそれほど差が認められないものはCM Caseのみであった。またPNP-基質をもちいたグリコシダーゼ活性を測定した結果ではいずれも子実体では弱く、廃培地と同程度から半分程度の活性をもつものはβ-グルコシダーゼとβ-ヘキソサミニダーゼのみであった。家畜飼料に対し廃培地製剤を作用させた結果では、NDFの減少がいずれの飼料においても認められヤマブシタケ製剤での減少がシイタケ3次培地を用いた結果より著しいことが認められた。糖の分析結果からはNDF中のセルロース、ヘミセルロースの減少が顕著であった。
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