研究課題
環境問題の高まりと共に、環境負担の削減が不可欠との認識が高まり、これらのグリーン化学的製造方法の確立が急務と認識される様になってきた。特に、一品種としては少量であるとしても総量として環境負担が大きいファインケミカルズ及び大量生産を基盤技術とする石油及び石油化学におけるプロセス転換が大きな課題である。本研究は、この一環として、硫酸等の液体酸を触媒とする酸触媒プロセスの固体触媒化を採り上げる。特に、嵩高い有機物の関与する有機合成反応に着目し、比較的大きい細孔径を有するメソポーラス材料及びゼオライトの触媒機能を検討し、固体酸触媒が備えるべき条件を明らかにすることを試みた。主なる成果を以下に示す。1.ベータゼオライトのナノサイズ化に関する検討を行うために、ベータゼオライトが生成することが知られているSDAである水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAOH)に界面活性剤である臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTMABr)の添加効果を検討し、適量のTEAOHにより30-100nmの均一なベータゼオライト結晶を得た。本ゼオライトの外表面酸点の触媒機能を評価するために、1-オクテンのアルキル化をsc-CO_2媒体中で行い、粒子径と反応活性が反比例することがわかった。このことは外表面酸点の有効性を示すものである。2.2-3nmの細孔が特長のメソポーラス材料にゼオライト構造を導入し、水熱安定性、機械的強度の改善と固体酸性を併せ持つAl-MCM-48-BEAの合成に成功した。この材料は、ゼイライト細孔であるミクロ細孔を併せ持つメソポーラス材料であることが129-Xe-NMR及びFT-IRによる検討で明らかになった。また、この材料は、水熱安定性、機械的強度の改善と固体酸性を併せ持つことが確認された。4.各種12環及び14員環ゼオライトによるアルキル化における形状選択性に関し、第12回日韓触媒シンポジウムで発表した。これまでの結果を総合論文としてまとめた。
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