研究課題
異方性の高い高温超伝導体では、超伝導を担うCuO_2面と平行の磁場が磁束量子を形成する場合、磁束のコアがCuO_2面を横切ることがなければ、低散逸での運動が可能となる。この様な磁束量子はジョセフソン磁束と呼ばれ、バイアス電流によりローレンツ力を受けて面内を高速運動し大きな磁束フロー電圧が観測される。一方、磁場方位が面内から傾くと、磁束量子はCuO_2面を跨ぐようになり、運動は大きく制約され電圧の発生は極めて小さい。我々はこの二つの磁束状態間を電流でスイッチさせることに成功し、電流を切っても不揮発性の記憶素子として使えることを提案してきた。今年度は、よりデバイスとしての有用性を評価するために、電流パルスによるスイッチングを行うシステムを立ち上げ、より高速でのスイッチングの可能性を評価することを試みた。これまでは数十Hzの三角波を印加し、最大電流を徐々に増加させてスイッチングの閾値(~0.5mA)を評価してきたが、短い電流パルスであっても高い電流を与えればスイッチングが可能となればより高速での動作が実現する。その結果、幅が~ミリ秒のパルスでも2mA程度を印加することにより、磁束状態が書き換えられることを確認した。
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