研究課題
異方性の高い高温超伝導体では、超伝導を担うCuO_2面と平行の磁場が磁束量子を形成する場合、磁束のコアがCuO_2面を横切ることがなければ、低散逸での運動が可能となる。この様な磁束量子はジョセフソン磁束と呼ばれ、バイアス電流によりローレンツ力を受けて面内を高速運動し大きな磁束フロー電圧が観測される。一方、磁場方位が面内から傾くと、磁束量子はCuO_2面を跨ぐようになり、運動は大きく制約され電圧の発生は極めて小さい。我々はこの二つの磁束状態間を電流でスイッチさせることに成功し、電流を切っても不揮発性の記憶素子として使えることを提案してきた。今年度は、これまで実験に用いたY-123系高温超伝導体に加えて、ジョセフソン磁束の研究が盛んに行われているBi-2212系においても、二つの磁束状態間を電流でスイッチさせることに成功した。Bi-2212系試料はテラヘルツ発振現象で注目を集めていることから、磁場の影響・磁場によるON/OFFなど興味深く、研究内容がカスケード的な拡がりを見せている。
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