平成21年度の成果は、以下の通りである。 1.プロジェクトエンジニアリング業務における価値連鎖構造の解明 価値連鎖を阻害するプロジェクトトラブルに着目して、エンジニアリング振興協会が収集した1035件のトラブルに関して、業務プロセスを通した伝播構造の解明を行った。この結果、同じトラブル原因であってもプロセスの途中で伝播を阻止する構造があることが判明した。今後は、この構造から"負の価値連鎖"構造を解明すると共に、エンジニアリング企業内において如何にレッスン&ラーンが行われ、非金銭的価値(トラブル経験の形式知化)の創造と経営活動における金銭的価値(トラブルによるロスの低減)の創造が為されたかを調査する。 2.ミッションマネジメント手法の確定 コンセプトには2つのパート、(1)プラスパート:ミッション成功に貢献、(2)マイナスパート:ミッションの成功を阻害があり、その両パートの関係の把握と維持がコンセプト形成に関して重要であることがわかった。このため、コンセプトをAHP法における評価項目とし、プロジェクト・フェーズ間におけるコンセプトプラス・マイナスパート間の因果関係を内部制約、外部制約とすることで、ミッション実施の際の不整合を計画段階で把握する手法を考案した。今後は、ツール化を行う。
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