1.渇水時水資源の相互融通の調査 2.公平な水資源割当方法の理論的考察 3。公平割当の理論研究の成果を、水利における水資源の相互融通時の料金負担あるいは洪水地域と受益地域間での被害金額と利水料金の調整などに適用できるか検討し、提案を行う。 上記の研究目的を達成するために、以下のような取り組みを行ってきている。 香川県では、渇水対策として貯水施設の整備や水資源を相互に流用するなどの取り組みが進んでいる。このため、近年の渇水時には以前のような断水にまで至る事例は発生しておらず、むしろ水資源に特有の性質を考慮した、適正な水価格の決定のメカニズムを明らかにすることがより重要性を増してきている。 現在、数理モデルの構築を終え、その数理モデルの分析を進めている段階である。数理モデルは水資源が水路を伝わって下流方向のみに移動可能、仮に上流方向に移動できるとしても下流方向への移動と比べ格段に移動コストが高くなる、という性質を反映したものである。2つの水源地が水路で結ばれていても、それらは対称的あるいは対等の立場にない。このことは物理的だけでなく経済的にも優位性め違いをもたらすことになる。このモデルの分析は水資源についての経済分析、公平分配の理論的研究の今後の発展に貢献することが期待できる。 渇水リスクの克服と県外企業・工場の誘致との関連性などについて理論的な知見が得られ、香川県の産業基盤の強化に役立つ。
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