研究課題/領域番号 |
21510152
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研究機関 | 大阪府立大学工業高等専門学校 |
研究代表者 |
長澤 啓行 大阪府立大学工業高等専門学校, 校長 (30117999)
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研究分担者 |
森澤 和子 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60220050)
平林 直樹 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 講師 (80199091)
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キーワード | システム工学 / モデル化 / シナリオ / スケジューリング / 在庫管理 / 不確実性 / 頑健性 |
研究概要 |
本研究課題の目的は、経営環境の不確実さを構造的・運用的・突発的不確実性の3種類に分類し、それぞれに対し戦略的・戦術的・現場意思決定によって対処するという枠組みの下、運用的不確実性をいくつかのシナリオの集合として表し、戦術的意思決定の方法論を展開することである。 最終年度である平成23年度は、過去2年間に展開した(a)「加工時間と納期の不確実さを考慮した頑健な多目的・動的スケジューリング」および(b)「リードタイムの不確実さを考慮した頑健な定量発注方式」の理論を改定して発展させた。数値実験の追加を行い、その有効性を検証し、成果を論文にまとめて学術誌に投稿した。 (a)「頑健な多目的・動的スケジューリング」については、平成22年度に提案したシナリオ変化直後にリスケジューリングを行うという現実的な条件の下での「リスケジューリングを考慮した動的に頑健な非劣解集合の生成法」をクラスタリングによる非劣解集合のクラスター化を追加したものへと発展させた。数値実験の範囲では、計算量を減らす効果はあったが、頑健な非劣解集合そのもののランク値を大きく改善する効果は見られなかった。他方、単一目的・動的スケジューリングについては、ランク値のより高い解集合が得られるようにプログラムを修正し、問題によっては大きな改善効果が見られたので、この成果を論文にまとめ、学術誌に投稿した。 (b)「頑健な定量発注方式」については、これまでに提案した「許容欠品率に基づく頑健な発注点の設定法」や「後発注費用/呼損費用最小化の頑健な発注点の設定法」をリードタイムが不確実で、かつ需要量が定常的でなく傾向変動する場合へ拡張した「頑健な発注点の設定法」を、既存の期待値最小化法や最大成分最小化法による発注点設定法と比較する数値実験を行い、「頑健な発注点の設定法」の既存の方法に対する優位性を明らかにした。この成果をまとめた論文は13.研究発表に記したとおり学術誌への掲載が決定している。
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