研究概要 |
平成21年度は平成7年から平成18年までの国勢調査・事業所統計調査メッシュデータの山形県に関する分析を中心に,人口予測技術の研究と,商店等施設と人口分布の関係について研究を進めた. メッシュデータにおいて一辺が500m程度の小地区(1/2メッシュ)で過疎地域を対象とすると,データの不足や秘匿処置のため,人口予測のためのコーホート変化率を与えることが困難である,また周辺50程度のメッシュを集めて空間移動平均を求めてもなお予測が困難であることを確認した.また,平成17年度のメッシュデータ同定はそれまでの調査でのメッシュ同定の方法から詳細になる方向に変化したため,十分な時系列連続的データとは言えないことがわかった.そのことから,手法の検証ではこの問題の対策も考える必要があるとわかった. 分析結果では,人口が少ないメッシュほど高齢化率が高く,人口減少率も高いことがわかった.また,100以上のメッシュを集めれば多くの地域では人口予測がかなりの精度でできることが明らかとなった,具体的には平成7年から12年への人口変化から,平成17年の人口は決定係数0.997の精度で予測できる.しかし,より狭い地区単位での人口予測をより適切におこなうため,クラスター分析法などを活用した新しい手法の検討に入っている. 一方,食料品店の分布と人口分布における現状分析をおこない,最も近い食料品店まで2km以上離れて居住するメッシュでは高齢化率が全体平均より7%程度高いことなどを確認した.そのような施設と人口の関係の距離分布についての分析を様々に進めている.
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