研究概要 |
平成22年度は平成7年,12年,17年の国勢調査・平成8年,13年,18年の事業所企業統計調査メッシュデータの山形県に関する分析を中心に,人口予測技術の研究と,食料品店分布と人口分布の関係について研究を進めた. メッシュデータは一辺が500m程度の小地区(1/2メッシュ)で過疎地域を対象としたが,秘匿メッシュの存在などの問題によって,データの経年不整合が起きることが問題となった.そのため,適切にメッシュ統合をする方法を吟味し,2kmメッシュで分析するのが最良という結論を得た.また,ここのメッシュで予測のためのコーホート変化率を求めると,分散が大きくなりすぎ信頼性の低い予測となるので,メッシュデータに関する空間移動平均を活用してコーホート変化率を与えると適切な予測が可能となることが明らかとなった.この場合,51個のメッシュの平均によってその中心のメッシュのコーホート変化率を求めることになる.少なくないメッシュ数だが,これだけのメッシュを統合することで,0で割ることによるエラーや,異常に大きなコーホート変化率の発生を抑えることができる.更に予測誤差の問題を分析中である. また,食料品店と人口分布の関係では,2km以上移動しないと食料品店に到着できない人口が山形県では1万人存在し,山形県の人口が減少しつつあることを考えると総人口に対する比率としては上昇傾向にあること,それら人口が2km未満の移動で食料品店に到達できるよう,店舗を新規設置するならば百店舗以上の食料品店が必要なことなどを明らかにした.
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