研究概要 |
本研究は,ASEAN諸国に構築された自動車部品相互補完システムを対象に,周辺諸国も視野に入れてASEAN諸国の自動車及び自動車部品相互補完システムに焦点を当て,米国に端を発した2008年秋の金融危機がASEAN諸国の自動車産業に及ぼした影響を明らかにするとともに,相互補完システムを,販売・生産・在庫・輸送の諸機能を持つグローバルなサプライチェーンプロセスとみなして,製品及び構成品・部品の物及び情報の流れをもとに,販売・生産・在庫・輸送システムを数学モデルに定式化し,全体最適化を図るためのサプライチェーンマネジメントに関する理論解析を行うとともに,情報システムの設計・開発を試み,併せて,その研究成果をある種の静脈物流システムに応用することを目的としている.今年度は,主として以下のことを明らかにした. 1自動車及び自動車部品産業のサプライチェーンプロセスにおいて,顧客ニーズに対するパフォーマンスをより向上させるため,共同研究者と自動車組み立てラインの管理方法について考察した.(日本経営工学会論文誌掲載,5^<th>ICLS及び1^<st>ICLTで研究発表,日本生産管理学会第31回全国大会で研究発表) 2双方向のネッワーク型サプライチェーンプロセスの物流システムへの応用として,輸送用包装材を対象に,共同研究者と静脈物流システムの設計・開発を試みた.(APJIM誌掲載,日本生産管理学会第30回,31回全国大会で研究発表) 3専用船による完成車の輸送方法について考察した.(日本ロジスティクスシステム学会第12国大会・日本生産管理学会第31回全国大会で研究発表) 4各種報道資料をもとに,金融危機に対処するための各国の景気刺激策,特に,エコカーを中心とした自動車産業に対する景気刺激策を把握した.(日本生産管理学会第30回全国大会で研究発表)
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