研究課題
本研究では、ASEAN及び周辺諸国に構築された自動車及び自動車部品相互補完システムに焦点を当て、米国に端を発した2008年秋の金融危機が日本及びASEAN諸国の自動車産業に及ぼした影響を明らかにするとともに、相互補完システムを、販売・生産・在庫・輸送の諸機能を持つグローバルなサプライチェーンプロセスとみなし、製品及び構成品・部品の物及び情報の流れをもとに、全体最適化を図るためのサプライチェーンマネジメントに関する理論解析を行った。また、販売・生産・在庫・輸送システムを巡回混載型輸送モデルに定式化して積載率の向上や輸送リードタイムの短縮を図るとともに、その知見を完成車の輸送システムや梱包材の静脈物流システムの最適化に応用した。主な研究実績は以下のとおりである。(1) 2008年の金融危機後の世界自動車産業の動向を把握するとともに、2011年に発生した東日本大震災、タイの大規模洪水が日本及びASEAN諸国の自動車産業に及ぼした影響を明らかにした。(2) 自動車産業を、サプライチェーンマネジメントの観点から、サプライヤー、メーカー、ディーラー間の物の流れを統合的に考慮して、組み立てラインシステムの設計方法を考察した。(3) 専用船による完成車の輸送モデルを輸送リードタイムとCO2 排出量を同時に最小化する多目的輸送計画問題に定式化し、その計算方法を考察した。(4) 構成品・部品を効率よく輸送するために構築した巡回混載型輸送モデルを、ハブ&スポーク型輸送システムと把握して、積載率の向上、在庫の削減、輸送リードタイムの短縮を図る輸送スケジュールの立案方法を考察した。(5) 自動車部品相互補完システムの数式モデルを、包装用梱包材の静脈物流システムに応用し、経済的な輸送スケジュールの立案方法を検討した。(6) 得られた研究成果を国内外の関連学会で報告するとともに学会誌に投稿した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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International Journal of Productivity and Quality Management
巻: Vol.11 ページ: to appear
Journal of Japan Industrial Management Association
巻: Vol.64 ページ: to appear
生産管理
巻: Vol.19, No.1 ページ: 89-94