研究課題
情報化の進展とともに、複雑な社会構造におけるネットワーク組織と個別企業の戦略的行動をシステム的な観点から研究する重要性がますます顕著になってきた。本年度の研究は、いままでの研究をベースに、企業の戦略的構想の時系列的傾向を把握すると同時に、Buyer-Seller Networks Modelなどを検討し、新たな数理モデルの構築を目的としている。企業グループにおける個別企業の戦略パターンとその時系列の傾向を明らかにするために、1986年から2007年までのマツダグループ洋光会の企業間取引データのほか、各個別企業の経営成果である売上高と利益などのデータをも収集した。毎年約180社の企業間の取引と持ち株のネットワークのマトリックスデータと、いままでの協力モデルやThe Spatial Connections Modelなどを用いて、企業グループの構造をはじめ、企業グループの安定性と効率性、個別企業のポジションと戦略的行動の関連、個別企業の戦略的行動と外部環境との関連、ネットワーク組織における個別企業の戦略的行動の時系列的傾向の変化および、個別企業の戦略的行動の分類と経営業績との関連を明らかにした。具体的には、個別企業の戦略的行動は取引先の個別企業の影響のほか、企業グループ全体の影響とその影響を受けた企業の戦略的行動の変化を計量的に解析することができた。時系列分析から、バブル経済の取引と持ち株への異なった影響と個別企業の変化を析出することができた。また、戦略的行動を解析するため、取引データの微小な変化が個別企業の取引戦略や取引ネットワーク全体への影響状況という感度分析をも行った。さらに、Buyer-Seller Networks Modelや空間グラフ理論などをも取り上げ、新たな数理モデルの構築とその応用可能性について検討した。
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生産管理論文誌
巻: Vol.18, No.1 ページ: 55-60
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