研究課題/領域番号 |
21510179
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
村上 ひとみ 山口大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (10201807)
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研究分担者 |
瀧本 浩一 山口大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (50263794)
榊原 弘之 山口大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (90304493)
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キーワード | 地震時非常参集 / 自転車 / 参集交通手段 / 地域愛着度 / 防災意識 / モーダルシフト / アンケート調査 / エコ通勤 |
研究概要 |
本研究では、日常から過度な自家用車利用を減らし、自転車等の利用を推進するモーダルシフトが、自治体職員やコミュニティ住民の地震防災力、事前の備え、被害の軽減、緊急対応等に対してもたらす効用を調査分析し、モデルを構築し、その推進策を提案することを目的とする。 2009年8月の駿河湾地震(M6.5、最大震度6弱)で被害を受けた静岡県を対象に県職員参集実態アンケート調査を実施し、参集交通手段としての自転車選択にかかわる影響要因を検討した。この調査結果から、平常の通勤手段は1/2が鉄道で距離も遠く、1/3がマイカー、1/5が自転車を利用していること、地震時の参集には道路被害が軽かったことから、マイカーが48%、自転車が23%の割合を占めたことがわかった。職場までの距離が8km程度までは自転車利用率が高く、平常の通勤手段や自転車利用、平坦な地形条件が参集時の自転車選択を増やす影響が示唆された。自転車の有効活用には、パンク対策、雨具の準備、ノーマイカーディ等で参集経路を事前に体験することなどが大切である。 静岡県教育委員会による地震参集訓練について、学校単位の交通手段割合等の結果提供を受けて整理し、勤務先が遠い場合に自宅近くの学校を参集先とする防災計画により自転車利用度が上がり、迅速な参集につながることが示された。 また、自転車の利用頻度、地域への愛着度、避難施設の認知度、地域の防災活動への参加度等に関するアンケートを、インターネット調査を利用して全国規模で実施し、回答を得た。この集計データを用いて、上記の項目間の相関関係について分析を行った。分析の結果、特に中高年層において、自転車の利用頻度と避難施設や避難経路の認知度の間に生の相関が存在する可能性が示された。
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