研究課題
昨年2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震により引き起こされた福島第一原子力発電所事故において、長崎大学は被災地救援のため福島県立医科大学と連携し、緊急被ばく医療体制め構築に尽力している。そのバックアップ体制の一つとして、福島での救援活動における放射線モニタリングセンサー(M-BIT)の活用を試みた。またこのM-BITは、心電図のRR間隔の心拍変動解析による、心・血管系自律神経機能の評価および、交感神経・副交感神経の分別定量化が可能であるため、心肺変動解析を活用した作業負担を調査出来る。具体的には、原発周辺の警戒区域内となった住宅への一時立ち入りの際に活動した医療従事者らへM-BITを着用させ、本センサーから得られる生体データの活用性を試みた一部の結果を報告する。対象者は、原発周辺の警戒区域内となった住宅への一時立ち入りの際に活動した医師、診療放射線技師、看護師、事務員の各1名、計4名であった。対象者は、M-BITを装着しその上に、放射線防護のためのタイベックスーツを着用した。得られたデータについて、今回は特に自律神経機能の評価として呼吸周期の変動を示し、副交感神経のみの活動を反映するHF値と皮膚温度の変動とを解析した。これらの結果から、HF値や皮膚温度の上昇に変動は見られるものの、個人によって上下がみられた。同一人物においても測定日による変動があることから、個人別での自律神経系の変動や皮膚温度、心拍数の変動による評価は可能であると思われた。またタイベックスーツの着用の有無においては、上昇皮膚温度に差がみられたものの上昇心拍数では差が無かった。このように、作業中の健康状態をリアルタイムで正確に把握することが可能であった。また他方で、事故以降、長崎県内からの福島県内滞在者に対してホールボディカウンタを用いた内部被ばくの測定も並行して行ってきた。特に、事故後初期に放出の多かったI-131は、、半減期が短く他の測定機関による内部被ばくの測定はほとんど実施されていない。Cs-134及びCs-137のみならず、実効線量評価においては、I-131の寄与も大きいことが示唆された。
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